松本匡もたぶんビックリ。
いまの物理学の知識をつなぎ合わせれば、時間旅行は理論的にはどうにかなるみたいだ。アマチュアのタイムマシン愛好家には至れり尽くせりの一冊。 どちらかといったら、未来へ行くほうが簡単のよう。「移動速度が上がると時の流れが遅くなる」という特殊相対性理論をそのまま当てはめればよい。仮に光の速さとひけをとらないくらいの速い乗り物に乗っていれば、自分の身は1年しか経ってないのに、世界は2年が経っていた、なんてことも不可能じゃない。 一方の、過去へ行くほう。これはとても難しい。かの「ひも理論」を使うなど、いくつかアイディアがあるようだが、この本で語られているのは「ワームホール」を利用したものだ。 ワームホールとは、ブラックホールの特異点をつなぎ合わせたようなもの。そこをむりやり通って、地球の近所から宇宙の別の場所へ光より速くたどりつき、またすぐに地球に戻ってくれば(今度はワームホールを通らないで)、過去の地球に行くことができる(らしい)。 親切にも、この本にはワームホールをつくるにはどうしたらよいかまで書かれている。①衝突器で10兆度の高温を作る。②圧縮機で高温の固まりを圧縮する。③膨張器で負のエネルギーを注入する。④差分器で時間差を作る。よし、これで完了! ……!? 詳しくは本に譲ります。 タイムマシンにまつわるパラドックスや懐疑論へのフォローもされている。例えば「いまの世の中に未来からの使者の痕跡がないのは、未来永劫タイムマシンなんてできないという証しではないか」という話はよく聞かれるが、ご安心。「タイムマシンが過去に戻れるのは、タイムマシンが完成された時以降の過去に限る」という理由で一蹴されるから。恐竜時代とか地球誕生のころとかに戻る路を断たれるのは残念だけど。
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