音楽もすばらしい
映画を評価するにあたり、7:3で音楽が需要と言われている。残り3はストーリーで。
そういう事が頭にあってか音楽と映像がとても素晴らしく合致していると思った。
映画と言う映画を見たと思う。最近、見た映画の中で、一番だといえる。
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同じ女性を愛した、主役(監視者)と監視対象のシンパシー
元東独の独裁体制による恐怖政治の下、冷酷な程に任務に忠実な秘密警察の男が、任務の中で舞台女優への恋、女優の恋人である劇作家への共感を静かに募らせていく様に心打たれます。このような心理描写を「顔芸」で演じきった主役男優は見事だと思うし、彼に命を救われた劇作家の抑えた演技も素晴らしい。
ただ、悪役の大臣も含めた男達の愛情のトライアングルの中で翻弄され、悩み、裏切り、はかなく散るヒロインの描き方には賛否両論でしょう。この徹底的に美しく弱い女性の姿は、ジェンダー論的視点を導入せずとも、男ばかりのこの映画において大変都合の良い存在と言えなくもない。(この映画に出てくる女性は、女優・娼婦・おばさん・官僚の4種類だけである。)ストーリーの鍵になる女性の心理描写がちょっと表面的な気がしたところが星ひとつ減点だが、基本的にこの映画は盗聴者の一方通行の恋の視点で語られるので、それはそれで良いのかもしれない。
そして、劇作家と主人公の再会・抑えた心の交流が描かれるラストは、二人が監視者と監視対象、一人の女性を愛した男同士であることを踏まえると、そんな些細な文句によっても全く傷つかない味わいを与えてくれます。この抑えた感じが好きです。
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どんな圧力があろうと人は変われる
東西分裂状態のドイツ。その東ドイツが映画の舞台。東ドイツはシュタージ(国家保安省)のよって反体制的な芸術などを監視していた。舞台演出家のドライマンがシュタージのヴィースラー大尉によって盗聴器で監視されるところから映画は始まる。シュタージに忠誠を誓っていたヴィースラー大尉だったが、自殺した演出家イェルスカがドライマンに贈った「善き人のためのソナタ」という曲を聞いた時彼の心は揺れ動き、現体制への疑問が彼の心に浮き上がる。
シュタージの圧力があろうとドライマンは西側に東側の実情を伝えようとしたし、ヴィースラー大尉はドライマンを助けようとした。人間の心に湧きあがってくる根拠のない正義感というか反骨心。その力強さに感動しました。二人の間に直接的な接点はないけれども目には見えない信頼で結ばれている。そしてその映画の演出が見事でした。
ドライマンの恋人のクリスタ。ドライマンへの愛とシュタージの権力の間に挟まれ揺れ動く彼女の心。そんな彼女の最後は本当に悲しいものでした。
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芸術
東西冷戦下の東ベルリンを舞台にした、重厚で崇高な物語。ドイツ語の発音の特性が、その魅力に拍車をかけている。
ストーリーは、反体制を取り締まる国家機関「シュタージュ」に属するヴィースラー大尉が、監視していたドライマンの演奏したピアノによって人間として目覚めていき…というものである。
全体的にとても暗く重たい。しかし、それがリアリティを生み、この作品に深みを与えているのだと思う。
また、このような静粛なストーリーの中で、シュタージュ文化部部長グルビッツが食堂で部下に見せたブラック・ジョークの場面は、とても面白かった。
と同時に、怖くもあった。冗談が本来の役割を果たさないというのは、恐ろしいことである。
この作品は、芸術の持つ力、人間の持つ強さ美しさ虚しさ、というものを誠実に秀逸に描いている。
粋なラストには、鳥肌が立ち涙しました。ここ5年間で、最も感動した映画です。今後も、ドイツ映画に期待したいです。
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着想が素晴らしいだけに・・
秀作であることは間違いない。アカデミー賞外国語映画賞受賞をはじめ、多くの人の支持を
受けるのも当然である。その上で冷静に、良かった点と残念だと思った点をそれぞれ記す。
まず良かった点は、着想がとても映画らしいということだ。物語のあらすじを聞くときっと
万人がドキドキするであろう。つまり着想だけでも、十分感動を与えられるお手本のような
話なのだ。しかも最後の一瞬のエピソードは、「ラストエンペラー」のように見事である。
しかし、最初の各人物のプロフィール紹介が如何にもというふうに極端なだけに、後からの
変化があまりに単純に見えてしまう。例えばヴィースラーはあんなに怖かった割りに、神の
如き心の持ち主への変化が簡単すぎる気がする。またクリスタは何度も心変わりし、悲劇の
女性としてもうひとつ感情移入できない。着想が良かっただけに、少し惜しまれる点である。
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