重大な過去の出来事なのに遊び心のある映像に困惑。もっと真摯に描いてほしかった
トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマンという豪華共演で飾られ、ダスティン・ホフマン主演の傑作「卒業」を撮ったマイク・ニコルズ監督がメガホンをとった作品だけれどどうも浮き沈みのない平坦な映画に終わってしまっていて、佳作でも秀作でもないが駄作でもない中途半端な映画。
画面での俳優たちの動きや演出は凝っていて、あと長いワンシーンが数あり監督の手腕が冴えわたる。俳優たちの演技も文句なし。だけどそれだけかなと考えてしまうのは自分だけだろうか。
事実に基づいた映画であり、戦争を題材にしたシリアスな内容であるはず。でもどうも1980年代の雰囲気がまったく出ていない。過去の出来事なのに今の問題を取り上げているような印象を受ける。映像が美しすぎるからだろうか。それに女に酒と遊びがいたるところに出てきて緊迫感は薄い。前述したがシリアスな内容であるはず。もっと真摯に描いてほしかった。
|
あと一歩で歴史に残るシニカルな反戦映画になっていた?
実にシニカルな反戦映画として見ました。
この映画の面白いところは、
チャーリーがヘリングへの下心満載でアフガン支援を買って出たり、
アフガニスタンとパキスタンを混同する議員がいたりと、
アメリカの政治家がいかに自己の利益のために動いたり、
世界情勢について無知であるかが皮肉たっぷりに描かれているところ。
アメリカ政治の暗部を垣間見ることができます。
最大の皮肉は、目の前の国益を重視するがために、“敵の敵は味方”式に
場当たり的な政策を取る、アメリカという国の一貫性のなさ。
10数年後、ムジャヒディーンの一味だったオサマ・ビン・ラディンが
911 を主導することになるのですから。
だから個人的には、航空機がワールド・トレード・センターに
突っ込む映像をエンディングに持ってくれば、
最高にシニカルな反戦映画になったのに、と残念でなりませんでした。
|
アメリカのアフガン介入の裏舞台
1972年のソ連のアフガニスタン侵攻に対し、アメリカ政府はソ連との
関係を悪化させたくないという方針の下、当初はほとんど何も対応しなかった。
しかし、アフガニスタンの人々はソ連軍の侵攻を受け、物心ともに多大なる
被害を被っていた。
この状況をテレビで見たひとりのアメリカの下院議員チャーリーが、ひとりで
立ち上がり、裏の手段を講じ対ソ連の予算を付け、武器と訓練を与えることで
ソ連の侵攻に抵抗する勢力を活気づかせ、最終的にはソ連をアフガンから撤退
させるに至る。
しかし、軍事介入したあとは予算も付かずアフガンの反政府勢力をそのままに
したため、結局この勢力が今度は9.11事件のような対アメリカテロを引き
起こすことにつながっていく(とういう暗示)という一連のストーリーを
テンポよく描いています。
史実はこの映画通りなというと少し疑問が残りますが、こんな大きな事件の裏
がこういった「草の根」の活動が元になって進められていたことにとても驚き
ます。
|
アメリカの過去及び現在の政治の恐ろしい一端が垣間見られる映画
3人の世間からは評判のよくない人物(酒と女好きなアメリカの国会議員、極右翼の大富豪の女、エリート路線からはずれたCIAのメンバー)が中心になってソビエトのアフガン侵攻を撤退に導いていく映画。短くて(102分)スピード感があって飽きずに見られます。メイキングでは主演のジュリア・ロバーツらが肯定的に、こんなに少ない人物が世界を動かした実話であると語っていますが、ごく少数の人間によってアメリカの巨額な国家予算が動かされ世界政治・戦争が強く影響が及ぼされるのを見ると、実話だけに恐怖を感じます(この映画で描かれている作戦は”成功”例なのでしょうが)。ロバーツの証言は、まさにこの作戦がアメリカの国民のまったく知らないところで行われ、多くの国民がいまだにその事実を知らないということを裏付けています。また、軍事介入のみを行って、(教育施設の復興などの)戦後処理をしないと、思わぬしっぺ返しをくらいかねないというメッセージを禅僧の故事を使って語られています。映画で描かれたアフガンの支援が皮肉なことにやがては911に結びつき、また現在のイラク情勢もその繰り返しであることが暗示させられる映画であると受け取ったのは私のみではないと思われます。
|
チャーリーみたいな人の存在を知らなかったので見て良かったです
あの当時は、国際情勢を動かし、人々から称賛され、
華やかで成功したような男、チャーリー・ウィルソン。
「でも最後でしくじってしまった」と、チャーリーが
自分のしてきたことを後悔している姿が余韻を残した。
禅の師匠の言葉じゃないけど、「今にわかる」と。
先のことは、どうなるか分からない。人生ってそんなもの。
自分のしてきたこと、やらなかったことを後悔するって、
大人になると、そういう思いに心が囚われる時がある。
お酒を飲みながらチャーリーが涙を浮かべている場面が、
トム・ハンクスの醸すものと一緒に心に残っています。
ところでベイブウは、最近、老化が進んでいるので、
ジュリア・ロバーツの老け具合がとても気になった。
同じぐらいの年齢の同じ女として、たるみやシワが
他人事じゃないんです。目が離せませんでした・・。
|